『多動』という言葉を最近、よく耳にするようになりましたね。
授業中に立ち歩いてしまったり、集団の輪から離れて1人行動してしまったり、、多動というと、そういったイメージがあると思うのですが、実は極端にお喋りな子も多動だったりします。身体的な多動でなく、精神的な多動もあるのです。
そう考えて振り返ってみると、喋り始めるとマシンガントークが止まらない、一方的に喋って会話のキャッチボールにならない人って時々いますよね。(芸能人にも、、。)
今回は知っているようで知らない多動について分かり易くまとめてみました。
(身体的)多動
多動と言うと、身体的多動を真っ先に思い浮かべると思います。ただ多動と一口に言っても、障害から来る多動、無知から来る他動など色々なパターンがあります。
無知から来る他動
学校の授業中にじっと座って先生の話しを聞けない、後ろを振り向いてお友達と喋ってしまう。昔からよくある光景です。障害から来る他動の場合もありますが、ただ単純にルールを知らない=無知から来る他動もあります。特に低学年や、未就学時代に多いです。
幼稚園のスタイルによっては、庭で駆け回ったり、自由にノビノビと育てる方針の所もあります。小学校に入学すると急に、自分の椅子に座って、授業中は黙って担任の話を聞かないといけなくなりますが、幼稚園時代の楽しいイメージが抜ききれていない場合もあります。
どの先生も口頭で注意すると思いますが、今のご時世、強く叱ると、やれモンスターペアレンツや、やれ体罰などと問題になってしまうこともあり、担任の先生も強く指導出来ない場合もあり、子供が授業中にたち歩いても、お喋りしていても問題ない、と思ってしまうこともあります。
バスや電車でお行儀良く静かにしないといけない、という事も親がしっかりしつけをしないと、子供は分かりません。家や公園と同じ感覚ではしゃいだりすることがあります。
対策
上記の場合、対策は単純で、「授業中は黙って座ってること。」、「公共の場所では静かにすること。」など、一つ一つルールを教えていくことになっていきます。
特に小学校に入る前には、ご家庭の方で、ある程度のルールやマナーを教えて、実践できるようにしておけば、子供の学校生活がスムーズに入れるようになります。
自閉症スペクトラルやADHDなどから来る多動
耳からの情報が弱い場合
自閉症の子には、耳から入ってくる情報より、目から入ってくる情報の方が強い子がいます。話しを聞くことが苦てだったり、理解しずらかったりします。その場合、授業中などに先生の言うことが耳に入って来ませんので、黙って席に着いて耳を傾けるという行為自体が、その子にとって難しい場合があります
対策
その場合の対策としては、口頭で注意するのでなく、絵や写真でメッセージを伝えることが有効的です。今は黙っている時間、お口にチャックの絵などを見せ、授業中は喋ってはいけないことを徐々に指導していきます。また、授業の進め方自体も、図や絵などを用いて、耳からの情報を取ることが弱い子にも興味を向いてもらうようにするのも効果的です。
集中力がない
集中力がなく、集中しても持続しない子がいます。先生の話を黙って聞いていられません。
始めは黙って聞いていても、他の事に目を奪われ、そちらに意識が集中してしまうあまり、授業中だということを忘れてしまったりしまいます。
対策
なるべく教室や、部屋は余計な物を置かずに、シンプルにするのも方法の一つです。物の数が多ければ多いほど、そちらに気が取られ、集中しにくくなります。
例を上げると、学級新聞などを目の見える壁に貼ってあり、それが気になってしまい、読むために新聞の近くまで立ち歩いてしまうなど。そう考えると、集中力のない子は一番前の席や先生のすぐ前の席などになると、余計な物に目を奪われることもないので、集中しやすくなります。
多動脳
じっとしていられない性、多動を求める脳があります。
ADHDの子や、ADHDと診断されなくても、そういった子がいます。常に貧乏ゆすりをしていたり、ピアノを弾いてるように手の指を動かしていたり。
動くことで精神安定、脳のバランス調整をしています。
対策
動くことで精神安定、脳のバランスを取っているので、頭ごなしに多動を止めさせると、精神が不安定になったり、脳のバランスが崩れてしまう可能性があります。
そうならない為にも、動いても良い。動ける時間。を作ってあげる必要があります。いきなり長時間、動くのを止めるのは本人にとって辛いことなので、まずは授業が始まった3分だけはじっとしていよう。など、短時間の制限から始めます。
3分が出来たら、5分。、、、と徐々にステップしていくようにします。ただし、再度の注意になりますが、他動することで脳のバランスを取っているので、それを常に頭に入れながら接することが必要になってきます。
口多動
多動の中には口多動と言って、身体的多動でなく精神的な多動もあります。いわゆるオシャベリさんです。
話しが次から次へと湧き出る
頭の回転が早く、次から次へと思いついた事を際限なく喋り続けてしまいます。思ったことがそのまま口に出ます。自分で喋ったキーワードでさらに感化され、新しい展開になります。
実況中継型
自分のしていることをまるでアナウンサーのように実況中継します。説明口調の場合もあります。
テレビアニメを見ていても、あらすじや状況を説明します。
口多動の対策
〇〇君が喋ったら、次は友達の番。友達の話を聞いたら、もう一度喋っていいよ。と、会話のキャッチボールの仕方を教えます。
幼い頃はオシャベリな子も多いですが、普通は徐々に薄れていきます。小学校、高学年などになっても一方的に喋り続ける場合だと、コミュニケーションの取り方を徐々に教えていった方が良いです。
まとめ
多動と一口に言っても、身体的なもの、口多動、障害から来るもの、そうでないものなど、様々なパターンがあります。
特に注意が必要なのは、他動することで精神安定、脳のバランス調整になっている場合です。多動=精神安定剤という側面もあるので、強引に多動を止めさせるると、問題を生じる可能性もあります。
子供に合わせた対処方法を心がけましょう。
ご覧頂きありがとうございます。
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