自閉症の子は単純作業、ルーチン作業を好む傾向があります。
学校へ行くのも、いつも同じ道を通ります。ある日、その道が工事中で通行止めだった場合、誰もが迂回することでしょう。看板に簡易な迂回図が記載されている時もあります、道が分からなければ工事の人に道を聞くこともあるでしょう。
普通の子はいつもと違うことがあっても、臨機応変に対応します。しかし自閉症の子にとって、いつもと違うこと=パニックに陥る原因になります。
パニックに陥ってしまうと、迂回図の存在は意味がありません。頭が真っ白になり、「どうしよう?どうしよう?」の一色になります。
例えるならば、ある日、目が覚めたら言葉も分からない外国の空港だったらどうしますか?冷静にその国がどこか調べることが出来るでしょうか?周りに話しかけて、状況を理解することが出来るでしょうか?
私はパニックになって何も出来ないと思います。状況が飲み込めるのもパニックが収まって、しばらくしてからではないでしょうか。
自閉症の子にとって、いつもと違う出来事というのは、私達が目が覚めたら外国の空港にいるほどのショッキングな出来事なのです。
幼い自閉症の子にとってパニックになるのは日常茶飯事のことです。
その場合、周りの私達はどのように行動したら良いのでしょうか?
パニックになる時
自閉症や発達障害の子はパニックになりやすく、特に下記の2パターンの場合、パニックになります。
切り替えが苦手でパニックになる
自閉症の子は気持ちの切り替えが苦手です。
楽しくゲームで遊んでいると、通いごとに行く時間になりました。親が「ゲームの時間は終わり。」と言っても、今まで楽しくゲームに没頭していたので楽しい時間が奪われると思いパニックになります。
いつもと違う状況でパニックになる
自閉症の子は、ルーチンを好みます。ルーチン作業がら外れ、臨機応変の対応が必要になるとパニックになります。
学校の行く途中で工事があり、通行禁止になっている。毎日、同じ順番で勉強をしているのに、先生が風邪でお休みで授業の順番が変わってしまった。
いつもとのちょっとした違いでパニックになってしまいます。周りからすれば、どうということはない予定変更でも、自閉症の子には「突然、見知らぬ海外の空港に放り込まれた。」状態のようになります。
パニックを起こした時の対処法
自閉症の子が一度、パニックを起こしてしまうと、周りが何を言っても聞く耳を持てない状態になってしまいます。
その場で迂回路を説明しても、習い事の時間になったことを冷静に伝えても意味がありません。
気持ちが落ち着くまで待つ
パニックに陥ると、いくらなだめても、気分転換になる言葉を投げかけても分かってもらうのは困難です。
対応として気分が落ち着くまであまり注視しないで待つのが基本になります。
幼稚園や学校でパニックを起こしてしまった場合は集団行動に拘らず、一度、集団から離して教室のコーナーなどに連れて行き、気持ちが落ち着くまで見守りましょう。
経験がその子を育てる
気持ちが落ち着いたら、冷静にその場の状況がどういう状況だったのか、何をしたらいけなくなくて、何をすれば良かったのか、教えてあげましょう。
同じようなハプニングに出会わした時に、前回の経験を活かし一歩、一歩成長していきます。
私達が、いきなり見知らぬ海外の空港に放り込まれても、初めての時よりも二回目の方が、二回目よりも三回目と、数を重ねることによりパニックに陥らなくなるのと一緒です。
信頼が大事
重度の自閉症の子の場合、始めは親にさえ目を合わせようとしません。ただ毎日、生活を一緒にしていて安心感を感じれば信頼を寄せるようになります。信頼している相手の言葉は少しづつですが素直に聞けるようになります。
パニックにならないようにする
自閉症の子が一度、パニックなってしまうと、周りがなだめるのは困難です。
パニックを起こした時の対処法も大事ですが、パニックを起こさないような環境作りが一番必要になってきます。
あらかじめ予定を伝える
5時になったらゲームを止めて習い事に行くんだよ、、と予め伝えるだけで、心の整理がつきます。自閉症の子には耳よりも、目からの情報が入ってきやすい子もいます。そういった子には絵のカードで予定を教えるのも効果的です。
大人との信頼関係を築く
親はもちろん、先生など大人との信頼関係を築くのが重要になってきます。
私達も突然、見知らぬ海外の空港に放り込まれた際、1人よりも、信頼出来る人が隣に居れば心強いですよね。信頼関係が築けていないと、いくら先生が隣にいても、その子にとっては、見知らぬ外国人の1人に見えてしまいます。
その為には子供を褒めることが必要になってきます。
ゲームをもっとやりたかったのに時間で止めれたね、偉いね。と一言声をかけるだけで子供の安心に繋がります。
まとめ
- 自閉症の子はパニックになりやすい
- 気持ちの切り替えが苦手
- 予定の変更が苦手
- パニックになると聞く耳をもたないので、落ち着くまで待つのが基本
- パニックにならないように予め予定を伝えたり、絵カードを使う
今回は自閉症のパニックについて記事にしました。
時々、子供がパニックを起こすとお菓子や玩具を与え、なだめる親もいますが、パニック=お菓子や玩具が貰えると思ってしまう可能性があります。
そうなってしまうと、学校や外でパニックを起こし、お菓子や玩具がないと、余計パニックになる可能性があります。またお菓子が欲しくてパニックになると逆効果になる可能性があります。
子供がパニックを起こすと親も辛いですが、経験を積めば一歩づつ成長します。子供を信頼し、1回づつ丁寧に言葉をかけていきましょう。
ご覧頂きありがとうございます。
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