ギフテッドには様々な特徴がありますが、合理的かつ独創的の二つの特徴も併せもっています。
合理的で独創的だと、周りの人が思いつかないようなことを実行し、時には周りを感心させ、時には周りから嘲笑されます。
人は目的を果たす為にあらゆる方法を考えます。その方法を考えるにあたって、我々は無意識の内に積み重なれた経験や、常識などの枠内で考えますが、ギフテッドにはその枠がありません。目的を果たす為に、一切の枠に捕らわれず、合理的かつ独創的の手段を考えます。
今回はギフテッドの特徴である合理的で独創的についての記事です。
目的と手段
目的を果たす為には、まず人は手段を考えます。
ただ人は今までの経験や常識という枠の中から、手段を模索します。一方、合理的な考えをするギフテッドには一般的な常識という概念がありません。(知識としての常識を理解はしています。)
例えば、真夏の暑い日にもサラリーマンはネクタイとスーツで通勤します。我々は社会人の常識や身だしなみだから、と納得できますが、常識という概念に捕らわれないギフテッドには、暑い日にネクタイやスーツを着用することはどうしようもなく不合理に見えてしまいます。
お葬式の際、お坊さんがお経を読んでもらっている間、喪服を着て正座していますが、合理的な考えをするギフテッドには理解が出来ません。昔からのしきたりだから、周りの皆もそうしているから、という考えはギフテッドには通用しません。
ギフテッドの子育ての大変さ
IQの高いギフテッドの子育てと聞くと、楽に思われるかもしれませんが、実はその親の大半は非常に苦悩しています。
その理由にギフテッド特融のOEが挙げられると思います。また、今回のテーマである合理的かつ独創的というのも、大きな要因の一つです。
合理的な思考をもつギフテッドの子供たちには、常識だから〇〇、子供だから〇〇、という教育が通用しません。何をするにも合理的な説明が必要になってきます。
「夜、9時半だから寝なさい。」と寝かしつけようとしても「まだ眠くないから嫌。本を読みたいから読む。」と駄々をこねた場合、「子供は寝る時間だから」とか、「クラスの皆は9時には寝てるってよ。」というお決まりな文句は常識を肌に感じないギフテッドの子には通用しません。
例えば「夜10時に寝ていると成長ホルモンが出て頭が良くなるよ、背が伸びるよ。」(真実かは不明です)などと合理的な説明がいちいち必要になってきます。
常識的に捕らわれない独創的な発想
うちの息子と暮らしていて、合理的、独創的な発想だと思ったエピソードをいくつか紹介します。
おはじきを片付けるさい
おはじきで遊んだ後におはじきを袋に片付ける際、おはじきが紛失していないか確認する為に数を数えながらしまうように言いましたが、息子は両手で次々とおはじきに袋をしまっていきます。
「数を数えてと、言ったでしょ。」と注意すると「数えてるよ。今、30個。」と答えます。
どう見ても両手で無造作に掴んで袋にいれていたので内心、嘘をつくな、と思いつつ、袋の中のおはじきを数えたら確かに30個ぴったりでした。
「どうやって数えたの?」と確認したところ、「10づつしまっただけ。」とのこと。その後、色々聞いて分かったのですが、おはじきの塊、例えば3×3の塊で9とし、さらに+1で10にする。4×2のかたまりで8を作り、+2で10にする。と言った具合だそうです。
私はなるほど、と感心しましたが、当時、息子は幼稚園だったので、かけ算の九九も教わっていない状態ですし、おはじきも綺麗に並んでいるわけでない状態で塊を作る発想に驚きました。一番、不思議に思ったのは、そういう数え方を誰に教わることなく自然に出来てしまう合理的かつ独創的な考え方でした。
本の読み方
ある時、息子が「ズッコケ3人組」を枕もとに3冊読みかけの状態で置いていました。
つまらないから次の本に手を出したのかな?と聞いてみると、本人曰く「面白いから3冊同時に1章ごと読んでいた。」とのこと。
「面白かったら、普通、1冊読み終わってから次の本を読むと思うんだけど、、、」と私が言ったところ、「へー、そうなんだ。次からそうする」と答えていました。
私の中では1冊づつ読むのが普通だと思っていたのですが、その考え方は今思うと〝常識という檻〟に捕らわれた発想かもしれませんね。
リレーの練習で
生まれて始めてリレーをした時の話です。リレーの簡単な説明をした際、練習をしたのですが、息子はバトンを渡す際に手渡しするのでなく離れたところから投げてバトンを渡しました。
「かん太くん、バトンを投げて渡したらダメだよ。」と先生に注意されたら「でも、バトンを投げた方が早く渡せるんです。」と返事をしていました。
相手より早くゴールするとという目的の為に、合理的に考えた彼なりの方法です。
他の子もリレーを初めてする子が多かったでしょうし、それでも皆ちゃんと手渡しでバトンを渡していました。ルールの説明の際にバトンを手渡すこと、と説明はしていませんでしたが、他の子は説明されなくても、なんとなくバトンを手渡すものだと分かるのでしょうが、合理的かつ常識に捕らわれない発想をする息子には細かいルールの説明が必要です。
字が汚いのも、、、
ギフテッドの子は字が汚い子が一定数います。
私の考えでは、その理由も合理的な思考からかもしれないと思っています。
息子は普段、字が汚いですが、書道などの字は綺麗に書きます。
それを見ると、綺麗な字を書くという目的な書道に対し、算数の計算などでは答えを導きだすのが目的で、文字を書くというのはその為の手段です。手段である字は汚くても綺麗でも構わないだろう、と思っている、もしくは、綺麗に遅く書くよりも、汚くても早く書いた方が合理的だと思っていると考えているのではないでしょうか。
ただ息子のようにあまりに字が汚い為、自分でも読み間違えてケアレスミスをするのは合理的ではありませんがw
常識に捕らわれないということ
ギフテッドの合理的かつ独創的な考えは、一見、良いことに思えますが、周りに理解されずに「あいつは何やっているんだ?」と思われ、変わった人扱いされる負の場面も多いです。むしろ負の場面の方が多い気がします。
本人は至って真面目に考えてやっていることなので、周りからそのような目で見られるのも理解出来ません。
クラスで浮いてしまったり、仲間外れにされる原因にもなりえます。
またギフテッドの子には「常識だから、、、皆がそうだから、、、。」というお決まりのセリフは通用しません。合理的な根拠を示し、その子が納得できる指導が必要になります。
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