12日にNHKで〝素顔のギフテッド〟が放送されました。
今回、見れなかった人は15日の午後3時15分からも再放送しますので、そちらをご覧下さい
放送前の記事で「ギフテッド=天才」みたいに描かれるのを心配していると記しましたが、、、
予想通り、番組に出てくる方は典型的な天才タイプの人が多かったですね(汗)
ただ番組の意図的には、ギフテッドの光の部分だけでなく、闇の部分も放送することによってバランスを取っている意図は垣間見えました。
また番組構成が、6人のギフテッドの追跡取材のみでスタジオ録画がほぼなく簡素なものでした。(少しだけ女優の〝のん〟さんがナビゲーターとして登場)
ギフテッドがどういうものか、などの説明もほとんどなく、ギフテッドのことを良く知らない視聴者は置いてけぼりになっていないか心配しながら見ていました。
今回は〝素顔のギフテッド〟の補足と雑感などを纏めてみます。
ギフテッド=天才ではない
番組初めから、自分が考えた難しい数式を大学教授たちの前で書いて見せる小学生が出てきました。
私が懸念していた通り、ギフテッド=天才のイメージでがっつり来ましたね(汗)
ステレオタイプのギフテッドイメージ、ギフテッド=数学の天才。これ、一昔前の外国人から見た日本人のイメージ、日本人=侍、忍者みたいなものです(笑)
ギフテッド=天才ではありません。もちろん中には天才もいるでしょうが、ほとんどのギフテッドにとってあの数式は理解不能です。
日本のどこかで忍者修行している人もいるよね=ギフテッドの中には数学の天才もいるよね。←私的には似たような感じです。
番組を見た視聴者の方がバイアスのかかった先入観を持たないか心配です。
演出上の問題
メディアに取り上げられるギフテッドは、どうしても天才タイプの人が取り上げられてしまいます。ただこれは仕方がないのかもしれません。
どこにでもいるようなギフテッド。一見、普通の子と変わらないギフテッドをテレビで取り上げても、面白みもありませんもんね。
例えば、うちのギフテッドの息子の日常を放送するとしたら、普通に学校に行って、普通に授業を受けて、家に帰ったらユーチューブ見て、ゲームやって、普通の子とたいして変わりのない風景が流れて終わってしまいます。きっと誰も興味深く見る人はいないでしょう。
ギフテッドの光と闇
バラエティー番組などでギフテッドが扱われると、その光の部分のみ。突出した才能のみを取り出されることが多いのですが、この番組ではギフテッドの闇の部分も放送しようとしている趣旨が感じとれました。
浮きこぼれ、不登校、鬱、虚無感など、ギフテッドは光の部分だけでなく闇がある。これが番組のタイトル〝素顔のギフテッド〟という意味に繋がってくるのでしょうか。
また闇と言えないまでも、Yシャツのまま寝たり、スーパーで商品価値を長時間吟味するなどの個性的な所も紹介しようとしていました。
ギフテッド⇒変わり物の天才&闇あり←番組を見るとこのようにギフテッドが見えたのではないでしょうか
〝素顔のギフテッド〟補足と雑感
番組構成が簡素で詳しい説明がなかったので、番組で出てきたフレーズなどを簡単に補足します。
不登校 200人中15人ギフテッド
ギフテッドは必ずしも勉強が出来るわけではありません。学校の授業についていけない人もいます。また番組で紹介された子みたいに、自分の知識と学校のレベルが違いすぎて学校嫌い、不登校になる人もいます。
今回、私が気になったフレーズは〝不登校の子の内、IQ検査を実施したところ、200人中15人が高IQでした〟というデータです。
この数値はあくまで番組で出てきた不登校の子達を支援する団体での数字ですし、高IQ=ギフテッドの数値という明確な説明はありませんでした。
仮に高IQを130だったとした場合、全体の2.3%の割合に高IQがいます。
不登校の割合は200人中15人ということは、7.5%です。
ギフテッドの割合から見ると不登校に占めるギフテッドの割合は3倍以上となっていますので、やはりギフテッド=不登校になる確率は高いということが分かります。
鬱について
番組の中で、高齢のギフテッドの方が鬱になって会社を辞めたとサラッと紹介されていました。
仕事のしすぎで、、、、という理由だったので、必ずしもギフテッドだから鬱になったという取り扱い方がされていたわけではありません。
また芸術大学を中退した青年は世間に受けいられず虚無感という言葉を口にしていました。
ギフテッドは鬱(気分的うつ)になりやすい性格です。ギフテッドの感情性OEや完璧主義と言った特徴が影響を及ぼす。OEについて ←
上記の理由からギフテッドは自殺する確率もギフテッドでない人より高いと思っていますが、科学的証明、明確なデータはないそうです。
過集中について
ギフテッドの子がスマホをやっていてお母さんに話しかけられても聞いていないような素振りをするシーンがサラッと流れていました。
上節の鬱についても、そうなのですが、この番組は何気なくギフテッドの特徴をサラッと流し、その上説明もないので一見見逃してしまいそうな構成になっています。
ギフテッドの人の特徴に過集中という特徴があり、何かに夢中になっている時は他人の声などに反応しにくい状態になります。
ギフテッドの暴力
今回、特に私が気になった部分は小1の子が体育の時間、徒競走の時間に1人で縄跳びをやっていて、その子だけ徒競走が出来なかったのでシーンでギフテッドの子が教員を殴ったり蹴ったりしていた場面です。
ナレーションで集団行動が苦手、徒競走が出来ず怒っているなどの説明はありましたが、暴力については触れず、演出上、こちらもサラッと流していました。
ギフテッドの子が周りに暴力を振るうということは決して多くはないと思います。
ネットを検索しても、文献を調べてみても、ギフテッドの子が暴力を振るうことについての説明はほとんどありません。ただ全くの0でなく、そういった子も中にはいて、そのことについて触れてある文献も僅かながらありました。
うちのギフテッドの子は小2までクラスメイトを叩くひっかくなどのトラブルばかりを起こしていたので、子育てに大変苦労しました。
公園に連れていけば知らない子とトラブルを起こし、幼稚園では2,3日に一回は友達とトラブル。小学校に入っても月に一回はクラスメイトと喧嘩してトラブルを起こすような子でした。
息子と似ていた子
体育の時間に徒競走に参加せず、縄跳びをし、あげくの果てに教員に怒って暴力を振るう姿を見て、「まるで小1のうちの子を見てるみたい」と思いました。
うちの子も、心の切り替えが下手で、徒競走の時間は終わりと言われても、納得いかずに怒ることもありました。休み時間に鬼ごっこしていても、知らない草花を発見すると勝手に鬼ごっこを中断し、1人で草花の研究を始めてしまう、こともありました。
テレビの子は校長室に行って気分を落ち着かせることがあるそうなのですが、うちの子にとってその場所は〝言葉の教室〟に当たると思います。
他にも、元素に興味があるところも似ていました。小1の時に世の中のものは元素で出来ていると知ったのは異常に興味をもち、原子や分子の図鑑などを良く読んでいました。今でも元素記号の周期表を眺めている時があります。この前、急がないと学校に遅刻してしまうので息子が慌てて準備をしていたのですが、ふと走って本棚に行き、周期表を2~3分眺めている時がありました。眺める終わると、「ヤバい遅刻するっ」と再び焦って準備していました。
なんで遅刻しそうな状況で3分も周期表を眺めたのかは謎です。(笑)
上記のようなことが被っていたので、その子とうちの子を比べ勝手に親近感を沸いていました。
ちなみに、うちの子は絵も下手くそですし、楽器も出来ません。
まとめ
今回は〝素顔のギフテッド〟が、あまりに簡素だったので簡単に補足してみました。
また私の危惧していた通り、ギフテッド=天才というレッテル貼りの紹介だったので、ギフテッドの子も凡人だということを私は声を大にして言いたいです。
ギフテッド=凡人だということは、当ブログを見てもらえれば分かってもらえると思います。
クローズアップ現代に続き、NHKではギフテッドをテーマにする番組が立て続けに放送されました。
世間的には認知度が低いギフテッドですが、これを機に徐々で良いのでギフテッドの認識が広がってくれれば良いと思っています。
コメントを書く