今、思えば、かん太はお腹の中にいた時から手のかかる子だった。
ママのお腹の中で動き回り逆子となり、帝王切開で産まれた。
多合指症で左足の小指の隣に、小さな小指がもう一本あり、小指同士がくっついていた。
看護婦がかん太を見て
「立派なおでこね。将来、賢い子になるわよ。」と、
言っていて
「そうなると良いですね。」と、適当に相槌を打ったのを覚えている。
感の強い子
一度、泣き出すと昼夜問わずに激しく泣いた。
赤ん坊は眠くなると泣くらしいが、「眠くなったら泣いてないで寝れば良いのに。」と思いながら、寝かしつけていたが、いつまでも泣いていて なかなか眠らない子だった。
ママはよく、「手のかかる赤ん坊だわ。」と愚痴っていたが、その頃は「赤ちゃんだから泣いて当たり前。」だと思っていた。
多合指症の手術で、、。
一歳の時に多合指症の手術を受け、1カ月以上入院していた。
ベッドから落ちないように檻付きのベッドに入れられていた。夜8:00になると面会時間は終了し、親は帰らないといけない。その為、毎日、夜8:00になるとあちこちの部屋から赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
だから、どの親も8:00には子供が寝るように一生懸命に寝かしつけようとしていた。そんな中、どんなに寝かしつけようとしても、かん太が眠ることはなかった。
決まって8:00になって、帰る時間になるとかん太は大泣きしていた。
看護婦に聞いた話によると、普通の子は一泣きすると疲れて眠りにつくのだが、かん太は何時間も泣き続けているとのこだった。
発達生涯?わが子を疑ったきっかけ?
なかなか言葉を話さずに心配していました。
他にも もう一つ、心配する出来事がありました。退院して間もなく寝かしつける時、不思議な行動を取るようになったことです。
寝た状態から座り始めて、一点を集中するように何かを見続けてる時もあったり、突然に身体をぐるぐる回しボクシングのスウェーみたいな運動を始めたり、かと思えば突然、笑い転げる時もあった。
その理由は当時を全く分かりませんでした。
、、、。
言葉が喋れるようになって かん太自身からその行動の理由を聞いたので、分かるようになりました。
「パパ、眠れないの。どうやったら眠れるんだっけ?」
「目をつぶって、横になったら眠れるよ。」
「目をつぶると、目の前に数字が沢山出てきて襲ってくるから目をつぶれないの。」
ボクシングのスウェーみたいな行動は数字から逃げるためでした。
小学生になったかん太は今でも、眠くなると突然、小さな声で念仏のように独り言を言い続けることがあります。耳を澄まして聞いてみると、その日のあった出来事や、テレビの内容などのあらすじを詳細に語り始めるだけでなく、アンパンマンはなぜバイキンマンをやっつけるのか?などを自分なりに説明しながら振り返っていました。
療育の先生いわく、普通の子はその日のうちにあったことを、覚えておくべきことと、覚えなくてもよいことを自然に判断し、覚えなくてもよいことは頭の中から自然に捨てるようです。
息子は記憶力が良いため、本来覚えなくても良いことも捨てずに全てを頭に詰め込めようとする為、頭がパンクしそうになったり、また頭に詰め込むために物事を整理するため、独り言で情報を整理しているのでないか、とのこと。
言葉を話し始めたのは遅かったですが、話し始めたら「てにをは。」などを正確に覚え、周りの子と比べ、正確な文章を喋れるようになりました。
しかし、言葉を話し始めても他の子と話す内容はちょっと違っていました、、
始めの会話はひたすら質問攻め
言葉を覚えるようになり、やっと親子の会話が楽しめると思っていましたが、かん太は普通の会話をしてくれませんでした。
「今日、幼稚園。楽しかった?」
「億の次の単位は兆でしょ。兆の次は?」
「京だよ。幼稚園で友達できた?」
「数字のXとかYは、何の単位?」
「単位じゃないよ。X+Y=5でX-Y=1だったら、X=3、Y=2みたいに使うんだよ。」
上記のような会話になり、日常会話みたいな話は一切なく、ひたすら質問を受ける感じでした。質問を答え続けるだけで、幼稚園時代に連立方程式、少数、分数など勝手に身に付けていきました。
サンキュー グーグル!
ある日のこと。
「今日、テレビでやっていたけど、人間は猿だったの?」
「そうだよ。」
「猿は何から進化したの?」
(グーグルで調べる。)
「哺乳類の先祖はねずみみたいな奴だよ。」
「じゃぁ、最初に生まれた生物は何?」
(グーグルで調べて)
「海の中のマグマの近くに雷が落ちて、奇跡的に、、、」
「なんで無生物から生物が生まれるの?」
するどい質問ばっかりするな、うちの子は賢いな、、、と思いつつ。
「もうお風呂入って、寝よう。」と言うと、
お風呂に塩や砂糖を持ってきて一言
「僕もお風呂を沸かしながら、生物誕生させる。」
、、、、、、やっぱ、馬鹿やなこいつ。
日々、質問攻めの毎日でした。ネットがない時代だと質問にも答えられなかったでしょうが、今はネットがあるお陰で色々調べることが出来て便利です。
サンキュー グーグル!
ご覧頂きありがとうございます。
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